難読漢字:「村さ来」答えは本文で!

「村さ来」アルコールが飲めるようになったばかりの頃、読めなかった。二十余年前の記憶である。「村さ来」と書いて「むらさき」と知ったとき、なるほど!と感心しつつ分かりづらいなぁと毒づきながら店内に入った。そんな、感心も毒づきも記憶も意識も村さ来のサワーカクテルでキレイさっぱり流されてしまった。

村さ来は東京都世田谷区の経堂を創業の地とする居酒屋チェーン店だ。創業の1970年後半当時、酎ハイと言えば焼酎を炭酸で割っただけの物だったが、そこにシロップを加えることで様々な酎ハイの提供を始めたのが村さ来だ。これが1980年代に若者に流行り村さ来は800店以上を擁する全国的居酒屋チェーンに昇っていく。

しかし、フランチャイズチェーン店舗の増加に対する社内の体制整備の遅れのなか、バブル景気の崩壊が始まり経営が行き詰まっていく。その後、消費者金融で「ほのぼのレイク」でお馴染みの株式会社レイクの傘下に入り、1994年には冷凍食品製造で有名な加ト吉の子会社になったが、加ト吉が日本たばこ産業(JT)に回収されたため、JTの孫会社となる等、バブル崩壊後は村さ来は流浪の旅をつづける。最終的に経営破綻した株式会社ノヴァ経営から英会話学校NOVAの事業を譲渡されたジーコミュニケーションの子会社である株式会社ジー・テイストが2010年5月から運営する形にに落ち着いている。

公式サイトで確認すると現在(2021年5月)は全国に83店舗を擁している。以前は、村さ来・つぼ八・養老の滝で「居酒屋業界の御三家」と呼ばれたくらいだったが、最盛期の10分の1程の店舗数になっている。でも、甘い酎ハイとコンパの飲み会に欠かせない村さ来の雰囲気が自分は大好きだ。