カラオケとカラオケ機器いろいろ
1970年頃8トラックテープとして生まれ、カラオケと言う名称であっという間にレジャー産業・文化として成長、海外でも「karaoke」として親しまれている。カラオケ機器も最初スナックなどの飲酒を伴うナイト店に置かれ人気を博していたが、1985年頃にカラオケを楽しむことを目的としたカラオケボックスが誕生し、中高生など若年層にも親しまれるようになった。
そのような背景で、カラオケ機器も8トラックテープからオートチェンジャーを搭載したレーザーディスクプレイヤーになり、より早く多く楽曲を歌いたいという顧客の要望から通信カラオケと進化した。通信カラオケも電話回線を使った通信から、本人映像やミュージックビデオ、電子音ではなく実際の演奏をバックに歌えるなどコンテンツデータの大容量化からインターネット回線に移行していった。
多くのカラオケ機器メーカー
レジャー産業として大きく成長したカラオケは全体で6,000億円産業になっている。それに伴いカラオケ機器メーカーも数多く生まれ吸収・合併を繰り返してきた。
2022年現在ではDAMシリーズを展開する第一興商とミシンメーカーのブラザー工業の子会社であるエクシングが展開しているJOYSOUNDシリーズの複占状態となっている。しかし、その昔は10社以上がしのぎを削る状態だった。
下に掲載した大手カラオケボックス「カラオケの鉄人」のポケットティッシュラベルに、各社が削っているしのぎの片鱗が見える。第一興商とコナミが共同開発した音ゲーの代表格であるDanceDance RevolutionとDAMが合体したDAMDDRの記載があることから、1999年から2000年代前半に配布されたラベルと思われる。(遠い記憶にDAMDDRをプレイした記憶があるが、歌いながら足を動かすって難しいと思った記憶がある)
ラベルの上にDAM・Uカラ・JOYSOUND・GIGA・セガカラ・X2000・パイオニア・スーパーBeMAXと各社のカラオケ機器名称がならんでいる。前述した通り、DAMは第一興商・JOYSOUNDはエクシングの機器だが他の機器もここで紹介していきたい。UカラはUSEN、GIGAは複合機大手のリコーの子会社、セガカラはゲームメーカーであるセガ・エンタープライゼス。同じくゲームメーカーから参入したタイトーはX2000。1982年からカラオケ事業に参入しカラオケレーザーディスクを生産してきたパイオニアは東映ビデオ・JHC・日光堂とともに通信カラオケ、スーパーBeMAXを発売。このラベルに掲載されているカラオケ機器機種だけで、7社以上のメーカーがしのぎを削っている。まさしく群雄割拠状態だ。ここに掲載されていないメーカーとしてはビクターの孫悟空シリーズなどがある
それから10余年の月日が流れ……
2012年3月27日にJR浜松町駅前で受け取ったカラオケの鉄人のポケットティッシュ。カラオケ機器は第一興商のLIVEDAM、エクシングのCROSSO、USENのカラオケブランドであったuga nextの3種類になっている。しかし、2009年にUSENはカラオケ事業をエクシングに売却しているので、このポケットティッシュを受け取った2012年時点でカラオケ機器メーカーは第一興商とエクシングの2社となっている。
進化していくカラオケ機器
メーカーは淘汰されていったが、カラオケ機器や楽しみ方は進化を続けている。より精密に歌唱を採点できるコンテンツや、歌いたい曲を探す目次本も電子化され、歌手名・曲名以外で曲を検索することができる。
また、大勢でカラオケボックスで楽しむという形の他に、一人カラオケという楽しみ方も生まれ、ヘッドフォンで一人カラオケを楽しむ形態のカラオケボックスも誕生した。
いろいろな楽しみ方に進化していくカラオケ。ポケットティッシュから遡って調べてみても面白いなぁって思ったりした。