マンションブランド名を意識する

「いつかはマイホーム」、「一国一城の主」。マイホームを持つことは何時の時代も夢の一つとして挙げられる。しかし、東京都など大きな都市に勤めている人には、一軒家は手が届かない夢のまた夢となってしまった。一軒家は無理でも、マンションならローンを組んで家賃並みの支払いで夢のマイホームが……。そんな背景があるのかないのかわからないが、あちこちでマンションが建てられ売り出されている。

一生に一回あるかないかの買い物であるマンション購入。そのマンションにブランド名がついていることを最近知った。そういえば、車内広告などで素晴らしいマンションの外観にカッコいい名前がついている。その名前は分譲企画し販売をする不動産業者が、それぞれカッコいい名前「マンションブランド名」を持っている。そんなカッコいい名前をポケットティッシュとともに紹介したい。

コスモスイニシア「グランフォーラム」

1988年に汚職事件として大きく報道されたリクルート事件の際に譲渡された未公開株である「リクルートコスモス」。その後、リクルートグループから独立。社名も「コスモスイニシア」になった。2009年に債務超過に陥り、私的整理手続きを経て、現在は大和ハウス工業が63%(2021年現在)の株を保有するデベロッパーとなる。普通の会社ではなかなか無い経緯を経て現在は、ファミリータイプのマンションを首都圏中心に展開している。

京急不動産「プライム」

品川から神奈川県へ向かって伸びる線路を持っている京浜急行電鉄。その不動産部門である京急不動産が手掛けるマンション。電鉄会社らしく「世界の特等席」をコンセプトとして挙げている。企画されている物件はマンションだけでなく、戸建てや賃貸マンション、シェアハウスなどの幅広いラインナップが特徴。東京の大森・羽田や神奈川県の横浜など京急沿線を中心に展開されているマンションブランド。下のラベルは「プライム矢向」とJR東日本の南武線「矢向」近くの物件。南武線に沿って武蔵小杉の東急不動産への鏑矢かもしれない。

三菱地所レジデンス「ザ・パークホーム」

三菱地所っていうだけで、なんとも言えない重みを感じる。その三菱地所が展開する「ザ・パークホーム」。定冠詞の「ザ」がさすが三菱だけあるなぁと納得感がある。

三井不動産レジデンシャル「パークホームズ」

東京ドームや後楽園ゆうえんち(現東京ドームシティアトラクションズ)を子会社に持つ三井不動産のマンションが「パークホームズ」だ。パークには遊園地という意味も含まれている。なるほどなぁーと思った。三菱地所の「ザ・パークホーム」と似ている名前で混同してしまいそうだが、こっちは同じ財閥系でも三井のブランド名だ。

FJネクスト「ガーラ・レジデンス」

「ガーラマンションシリーズのFJネクストがお送りしました」という提供ナレーションでおなじみのFJネクストが手掛けるマンションブランド。「ガーラ」というのマンションかスキー場が思い浮かぶ。「祝祭」を意味する英語である「ガーラ」を冠したブランド名。毎日が楽しそうな感じがする。

阪急阪神不動産「ジオ」

「特等席」だったり「祭」だったり「遊園地」だったりと、住む人が特別感を感じるブランド名が多い。一生涯を過ごすことになるかもしれないマンション。購入するためには特別感を感じさせることは必要だ。その特別感のスケールが桁違いなのが阪急阪神不動産。その名も「ジオ」。地球や大地を意味する接頭語であるジオを冠したマンション。なんとなくワンルームでも大地のような広い光景が広がりそうだ。

明和地所「クリオレジダンス」

オリンポス神の最高神「ゼウス」の娘、智の女神「クリオ」。その名前を冠した明和地所の「クリオレジデンス」。地球や大地を超えた神の領域になった。これから他デベロッパーが新しいマンションブランドを立ち上げる時は紙を超える必要がありそうだ。

そういえば「ライオンズマンション」という名前は方々で見ることができる。『ライオンズマンションに西武ライオンズの選手が住んでいると思い込んで、推しの選手の出待ちをしていた』というラジオ投稿を思い出した。そのライオンズマンションも株式会社大京が販売するマンションのブランド名だ。

今後はマンションのチラシを見るたびにブランド名に注視してしまいそうだ。その内、神を超えるかもしれないから。