ぶっちゃけた話なんですが……。
- ポケットティッシュのラベルを紹介するサイトなのですが、一番検索されている単語は「ワールドフアイナンス」なんですよ。
- このブログでも2回ほど「ワールドファイナンス」絡みで記事を書いてますね……。
- 最後にするから、もう1記事だけ「ワールドファイナンス」で書かせてください。
というわけで、擦り倒した「ワールドフアイナンス」の記事最後です。(多分……。)
で、こちらで調べた「株式会社ワールドフアイナンス」です。
首都圏にお住まいの2025年現在40代後半から50代の方には、この赤い看板に見覚えがあるのではないだろうか。消費者金融の会社、ワールドファイナンスの看板だ。駅前や首都高脇のビル看板など至るところに、この真っ赤に白抜き文字の看板が林立していた。特徴のある字体も、印象深く記憶に刻まれているのか、今見てもあの頃を思い出し懐かしさを感じる。

消費者金融業の株式会社ワールドファイナンスは、1951年に設立された株式会社斎藤商店を前身に持つ。その後、1966年頃から金融業に参入。1976年7月頃から、5店舗で「ローンズワールド」の商標で消費者金融業を開始、1978年に商号を変更し「株式会社ワールドファイナンス」が誕生する。
商号変更後、ワールドファイナンスは急成長を遂げており、東京都から神奈川や千葉、埼玉を中心に、商号を変更した1年後の1979年には50店舗、1981年100店舗となり1982年末には200店舗を有する消費者金融となった。翌年1983年には300店舗となったが、急成長はここでピークを迎え1985年の店舗数は60店舗と最盛期の5分の1に減少。1993年に44店舗とさらに縮小傾向が続き、2011年に廃業となった。
ワールドファイナンスの知名度の根源
冒頭に紹介した、真っ赤に白抜きのワールドファイナンスの看板は商号を変更した1978年頃から設置を始めた。赤地の看板に縦書きした「ワールド」に左上に小さく「ローンズ」と白文字で示された看板を、壁面や窓・高速道路から見える屋上などに順次設置した。1981年には設置した看板の数は124個に達した。最盛期には307の支店を有し、それらの支店には大型の看板を設置していたようだ。
設置当初は、上にポケットティッシュのラベルに掲載されている看板のように「ローンズワールド」を表記していた看板だったが、1988年から1989年は頃、看板から「ローンズ」部分を削除し、「ワールド」のみの看板にした。
なお、削除した理由は、1975年頃は営業内容を示す必要と「ローンズ」という単語は新規性・流行性を持っていたため付けていた。しかし、月日が経ち「ローンズ」という単語が日常用語とし普及し、新規性・流行性が感じられなくなり、また東京を中心とする関東では「ワールド」=「消費者金融」認識される状況になったためとしている。
「ワールド」の戦い
この「ワールド」という看板に対し訴訟を起こしたのが株式会社ワールド。神戸に本社を置く大手アパレルメーカーだ。
アパレル大手「株式会社ワールド」と消費者金融「株式会社ワールドファイナンス」の不正競争訴訟は、元号が変わった平成元年(1989年)に東京地方裁判所にて始まり、1993年に東京高等裁判所、1997年には最高裁判所へと舞台を移し争った。この中で、ワールドファイナンスは『「ローンズ」という表示を取ったからといって、消費者金融と婦人服店を間違えて来る客はないであろう。』(平成 1年 (ワ) 17170号 判例より引用)としている。 道理ではあるが、「いやいやそうでない」感が否めない。でも、状況を考えたときに、[カランコロンカラン]「いらっしゃいませー」「お金を貸してください!」「ワンピースいかがっすか?」って滅多にないとは分かるが、そうではない事も分かる。
なんだか、こんな感じで、むつかしいから最高裁まで行ったのかなって思う。何となく気が付いているけど、確証がない事案がドチラも引かない感じなのかなとも思う。
結局、本件に関しては、最高裁判決で差し戻しされたまでは判明したのだが、その後がどうなったのか分からなかった。久しぶりに調べてみたら、日刊繊維総合紙 繊維ニュースで「株式会社ワールドが消費者金融業者と表示訴訟で和解」との記事を見つけた。以下、日刊繊維総合紙 繊維ニュースからの引用
『ワールドはこのほど、消費者金融のワールドファイナンス社との営業表示訴訟で同社と合意が成立し、十九日に和解したことを明らかにした。』(日刊繊維総合紙 繊維ニュース 2000年07月25日 (火曜日))
戦い終わって……
2000年7月に消費者金融業の株式会社ワールドファイナンスとアパレル大手の株式会社ワールドの和解が成立したらしい。ほうほう……。しかし、株式会社ワールドファイナンスは、その後の金融状況の影響か……徐々に支店が減少していき、2011年に廃業となった。そして、アパレル大手の株式会社ワールドも2020年には、いろいろな世界状況からリストラを断行している状況になっている。
争いに勝っても負けても、いろいろな事情があって、いろいろ大変で、今まで記載した事をまとめて……、あーあー世の中って、むつかしいなぁーと思うしかない。