今昔儲け話

儲け話はいつの時代も人々の耳目を惹きつけるものだ。数学的に宝くじの当選の確率や期待値が低くても、数百円で数億円が手に入る「かも」という話は魅力的で心奪われる。

ただでさえ低金利時代、元本保証の銀行に預けていても普通預金0.01%などススメの涙数滴分になるかならないかくらいしか利息がつかない。それでも、大きな資金があるなら利息も大きいが、コツコツ貯めた数万円、数十万円くらいだと定期預金でも「預金利息1円」と入出金履歴に記録されるくらいだ。休日にATMで現金を引き出したら、この100倍以上は吹っ飛んでしまう。世の中はそういうものだと思っても、どうにもやるせない。

土日祝日は200倍以上

魅力的な儲け話はどの時代も必ず存在している気がする。ねずみ講のような投資話で国民の半数以上が騙され国中が大混乱したアルバニア。純金ペーパー商法で1000億円以上を騙し取った豊田商事事件。またその後、豊田商事事件に関わった残党たちが起こした詐欺事件など枚挙にいとまがない。

そして、21世紀になりインターネットが発達し多くの人が多くの情報に触れることのできる今の時代でも儲け話に騙されて……という話は無くならない。動画配信やサイト閲覧時に流れる広告にも儲け話は流れてくる不動産投資やIPO株式投資と商材を変えつつインターネット回線を通して僕らの目に飛び込んでくる。

そんな、いろいろ怪しい儲け話広告を見ていると共通する単語がある気がする。3つの単語「ほっらたかし」「ブラック企業からの脱出」「知識ゼロでも」だと思う。これに「AI」が加わったら「ボクノカンガエタ最強の儲け話」と言っても過言ではない気がしなくもない。

しかし、今から45から50年前くらいの日本の銀行定期預金には普通に年利5%を普通に超えていたのだ。ノーリスクハイリターンとも言える。その後3%や6%に上下ししたが、その後一大強制イベントである「バブル経済の崩壊」が発生する。イベント後は0.00数%という金利が今も続いている。2016年頃まで販売されていた、リスクが少しある中期国債ファンドでも年利0.5%くらいだったという。

有利な金利で1ヵ月複利

そのような低金利な状態でスマートフォンから『6000倍の利益が「知識ゼロでも」受けることができ「ほったらかし」で月々収入が入ってくる。これで「ブラック企業から脱出」しよう!

なんて、広告が飛び込んでくるのだ。ボーッと眺めていたらついつい引っかかってしまいそうだ。断言は出来ないがそんな儲け話はそうそう無い。あったとしてもわざわざコストをかけて広告を打つ理論が成り立たない。

まあ、月並みの話になるが、おいしい儲け話なんてそんなに無い、コツコツ働くのがなんだかんだで一番の儲け話なんだろうなって思う。