黒電話とか、赤い袋のADSLモデムとか

ダイヤル式黒電話

少し前に、ある新聞社が「今後、『☎』を使用することを止めます」という記事をみた。受話器のあるダイアル式の黒電話といえば昭和時代には電話のシンボルであったが、プッシュホンから携帯電話、そしてスマートフォンと電話自体が進化していくにつれ、「☎=電話や電話番号」という認識がドンドン薄れているというのが理由らしい。

たしかにそうだ。今時、黒電話機を見ることはない。それどころかスマートフォンばかりで会社以外で固定電話の受話器を取ることも無くなった。公衆電話もどんどん見かけなくなっている。2002年は約58.4万台の公衆電話が設置されていたが、2022年には約14.6万台と4分の1に減少しているようだ。それは見なくなるわけだ。新宿駅構内でズラーっと並んでいた公衆電話も間引きされている。

テレホーダイでインターネット

電話は時代によって姿形が変わってきた。インターネットは姿形が見えないものだが、やはり時代と共にいろいろ変わってきている。昨今では常時接続で高速回線のインターネットが一般家庭でも普通に使える。

しかし、1990年代はまだ、電話回線をつかったインターネット接続が主流で、電話料金で10万円を超え親に怒られる人や、NTTの23時から翌日8時までのかけ放題サービス「テレホーダイ」で深夜から朝方にかけて、完全に夜型人間になってインターネットを楽しんいる人など、いまとなっては貴重なインターネットだった記憶がある。

その後、2001年頃に駅前などで赤い服をきた人が赤い紙袋を無料で配り始めた。その赤い紙袋の中にはADSLモデムが入っていて、家でも常時接続のインターネットが使えるようになった。もう、夜型人間だけのものでなく、普通のインフラ設備としてのインターネットが始まったのだ。

その後、電話線を使ったADSLやISDNから、光ファイバーという未来の回線をが一般のものになり、通信速度も「2倍2倍ー」では追いつかないくらい速くなった。いや、これからも速くなっている。

時代で変わっていくアイコン

そんな、インターネットの一般化や、携帯電話・スマートフォンの普及で、家に固定電話を置く人も少なくなり、自分だって、ダイヤル式の電話機なんで数十年触っていない。黒電話なんて博物館で展示されている物という世の中で、「☎」を理解される世代は少なくなってきたのだろう。そりゃそうだ。

☎のアイコンが使われなくなった次は、PCなどのソフトウエアの「保存」のフロッピーディスクのアイコンだと思う。

今のうちに、代わりのアイコンを発明しておけば、大金持ちになれるかもって思ったが、代わりのアイコンが、全然思いつかない。まあいっかフロッピーのアイコンで。