写真の撮り方

冷蔵庫から見つけたもの

先日、冷蔵庫のドア棚を整理していたら、自分の目線より上の棚に3本入りの36枚撮りのフィルムを見つけた。少し前までデジカメとは別に、フィルムカメラも使っていたが、フィルムの値段・現像の価格がドンドン上がり今では感度400の36枚撮りが1800円くらいになっている。30年前自分が高校の写真部だった時、36枚撮りのフィルムなんて200から300円くらいだと記憶しているが、需要が無くなり供給が下がって、価格が上がる。各曲線の交点が「36枚撮り1800円」となっているのだろう、今のところ……。多分これからも上がっていくのかなぁ

その昔

いろいろな観光地で看板やベンチの背もたれに、「富士フィルム」や「コダック」など、写真フィルムメーカーの広告が掲載されていた。今でもこの2社はフィルムを販売しているところを見ることができる。日本の富士フィルム・アメリカのコダック・ドイツのアグファが世界三大写真フィルムメーカであった。また、日本のコニカも有名なフィルムメーカーであった。手軽に写真が残せるコンパクトカメラも各社から発売され、露光やピントなど自動に合わせ誰でもきれいな写真が残せるようになり、写真フィルムも様々なところで販売され、写真の現像もいろいろな業種の店舗で受け付けてくれた。(フィルムを渡して数日で現像して写真をくれる)

そんな、みんなの思い出を刻み込んできた写真フィルムだったが、コンピュータが一般化するようになり、デジタルの波が飲まれていくことになる。

その後

1980年代終わりから、1990年代初頭にかけて各メーカーがデジタルカメラの商品化に着手し始めた。1995年に発売されたカシオ計算機のQV-10は撮影した写真をその場で液晶画面に写して確認できる、という利点からデジタルカメラという存在を広く世間に広めた。また、Windows95が発売され、コンピュータやカラープリンタが一般化し始めた時期とも重なったことも、デジタルカメラの普及に一役買ったと思われる。

しかし、フィルムで撮った写真と比べるまでもなく画像は荒かったため、デジタルカメラがフィルムカメラを追い抜くことは無いと思われていた。その頃は……。

2000年に入って

1999年終わり頃から各メーカの高画素数化競争・小型化競争が始まり、性能は向上し低価格化も進んだ結果、2002年にはデジタルカメラの出荷台数がフィルムカメラを上回り、市場がデジタルカメラに置き換わっていった。

性能が向上した結果、プロカメラマンも使用するようになり報道はもとより、商用写真・美術写真もデジタルカメラに変わっていった。

コダックの悲劇

実は世界三大写真フィルムメーカの一つであるコダックのエンジニアが1975年にデジタルカメラを発明し製造していた。しかし、コダックは大成功しているフィルムメーカだったために、写真のデジタル化に消極的になってしまった。その後デジタルカメラに着手したものの後手に回ってしまい、大きな波に飲まれるように、2012年に倒産している。(1年後会社の規模を大幅縮小して再上場を果たしてはいる)

新たな敵

2000年11月1日にカメラ付き携帯電話がにシャープから発売され、写メールという単語とともに写真をメールで送るということが生活に根付いていった。しかし、携帯電話の小さな画面で見る分には良いが写真にプリントとなるが画像が荒く見れたものではない。そのような機能の違いから、デジタルカメラとカメラ付携帯電話は役割の住み分けができていた。が……。

2007年に初代iPhoneがアメリカで発売され、日本でもiPhone3Gが2008年に発売される。2009年発売のiPhone3GSでは3メガピクセルのオートフォーカスカメラを搭載。デジタルカメラを存在を脅かすスマートフォンが襲来した。

デジタルカメラの位置がスマートフォンに置き換わるように、デジタルカメラの出荷台数は2010年の1億2146万3234台をピークに減少を続けている。特にコンパクトデジタルカメラの出荷台数は10年間で10分の1に激減した。

結局写真の撮り方って

19世紀初めに生まれた写真は銀板写真やガラス乾板写真などを経てフィルム写真となった。そしてデジタルに変わって、と変化を続けている。とは言え撮られる写真は、白黒がカラーになったくらいだ。撮り方が劇的に変わってきているが、次は目で見たものが、首筋辺りのUSBコネクタから写真として取り出せたら面白いなぁと思う。