グレーな金利とポケットティッシュ

消費者金融いわゆるサラ金という業種はポケットティッシュと切っても切れない関係にあるのです。サラ金業界一位当時の武富士は最盛期に年間3億個を駅前などで配布していたとの話もあります。今では駅前を歩いていてもサラ金のポケットティッシュをもらうことは、ほぼなくなっていますがポケットティッシュ広告=消費者金融というイメージは多くの人々の中にまだ存在していると思われます。

サラ金の金利

上の武富士のラベルにあるように目的自由の融資にかかる金利は実質年利23.36%から27.375%と記載されている。このラベルが配布されていた時期は記載されている財務局長登録番号からまだグレーゾーン金利問題が騒がれる前の1980年後半から1990年前半、バブル経済の崩壊が始まった頃も思われる。この頃はまだ出資法で定められた年利29.2%を超えない金利で融資をしていたことがわかる。

そして、サラ金業界を大きく揺さぶる判決が2006年に下される。

事件番号[平成16(受)1518]の判決

利息制限法に定める上限金利である最大[年20%]は超えるものの、出資法に定める上限金利には満たない金利[年29.2%]は超えない金利の融資に対して2006年の判決で今までグレーゾーンだった金利がクロと判断されてしまったのだ。

この判決に伴い、各サラ金業者は金利を最大で年18%への引き下げを実施。そして、テレビCM等で弁護士事務所が繰り返し流していた過払い請求への対応を余儀なくされた。その中で業界トップで3億個のポケットティッシュを配布していた武富士は2010年に会社更生法を申請し受理された。

上のアコムのポケットティッシュちょうどサラ金業界が大きく揺れていた頃のラベル。大きく「アコム金利は12.0%~18.0%」とあり、連結子会社になった三菱UFJフィナンシャルグループの名が記載されるようになった。

その後の話

景気の低迷も相まって、サラ金のポケットティッシュ広告の配布はすっかり影を潜めた。ラベル収集家としては残念ではあるが、これも時代の流れなのかなって思ったりしている。